2026年9月18日
「一日が終わっても身体の力が抜けない」「疲れているのに、寝る前まで考えごとが続く」。そんなとき、自分でできることの一つが、呼吸に意識を向けることです。
今回は、自律神経の働きを穏やかな方向へ切り替えるきっかけとして、鼻から3秒吸い、口から6秒吐く呼吸をご紹介します。特別な道具は必要ありません。回数にも決まりはなく、ご自身の生活の中で取り入れられる方法です。
活動と休息を切り替える自律神経
自律神経は、心拍や血圧、消化、体温など、意識しなくても続く身体の働きを調整しています。活動するときに働きやすい交感神経と、休息するときに働きやすい副交感神経があり、状況に応じてそれぞれの働き方が変化します。
現代の生活では、仕事や人間関係、スマートフォンから次々に入る情報などにより、身体と気持ちの緊張が続くことがあります。疲れているのに休まらない、眠る時間になっても頭が動き続けると感じる方もいるでしょう。
ただし、さまざまな不調の原因を、すべて「交感神経が優位だから」と決めることはできません。呼吸法も病気を治すものではなく、緊張した状態から落ち着く方向へ切り替えるためのセルフケアの一つです。
鼻から3秒吸い、口から6秒吐きます
楽な姿勢になり、まずは普段の呼吸を感じます。呼吸を無理に深くしようとせず、次のように行います。
- 鼻から3秒ほどかけて、楽に息を吸います。
- 口を軽くすぼめ、6秒ほどかけて細くゆっくり息を吐きます。
- 「吸う1、吐く2」の割合を目安に、苦しくない範囲で繰り返します。
大きく吸い込むことより、吐く息をゆっくり長くすることを意識してみてください。ゆっくりした呼吸では、自律神経に関係する生理的な指標が変化することが研究で報告されています。ただし、3秒と6秒という秒数に特別な治療効果があるという意味ではありません。
(参考:国立精神・神経医療研究センター「不安を下げリラックスする呼吸法」/ゆっくりした呼吸に関する系統的レビュー)
秒数よりも、無理なく続けられることを大切に
3秒吸って6秒吐くのが長く感じる場合は、2秒で吸って4秒で吐くなど、楽にできる長さへ短くして構いません。息をいっぱいまで吸ったり、最後まで無理に吐き切ったりする必要はありません。
正確に秒数を数えようとして緊張してしまう場合は、「吸う息よりも、吐く息を少し長くする」とだけ意識してみましょう。呼吸の途中で苦しさ、息苦しさ、めまいなどを感じた場合は中止し、いつもの自然な呼吸に戻してください。
呼吸法を上手に行うことが目的ではありません。呼吸へ意識を戻し、今の自分が緊張していることに気づく時間をつくることが大切です。
回数を決めず、必要なときに思い出す
この呼吸には、「一日に何回行わなければならない」という決まりはありません。
- 少し緊張していると気づいたとき
- 疲れているのに気持ちが休まらないとき
- 忙しい時間の合間に、ひと息つきたいとき
- 布団に入る前や、寝る準備をするとき
こうした場面で思い出したら、無理のない範囲で行ってみてください。
普段から呼吸を意識する習慣があると、緊張が高まったときに、自分を落ち着かせる方法を一つ持つことができます。「自分で自律神経を完全に整える」ということではなく、自分で休息へ切り替えるきっかけをつくれることに意味があります。
寝る前は、眠るための準備として
寝る前にも、この呼吸を取り入れられます。照明を少し落とし、スマートフォンから離れ、楽な姿勢でゆっくり吐くことを意識します。
睡眠には生活リズム、光、運動、嗜好品、身体や心の病気など、さまざまな要因が関係します。そのため、この呼吸だけで不眠が改善するとは限りません。眠りに入る前に、活動していた身体と気持ちを休息へ向ける準備として試してみてください。
(参考:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」)
自分を落ち着かせる方法を一つ持っておく
緊張しているときに「落ち着かなければ」と思うほど、かえって力が入ることがあります。そのようなときは、まず一度、細く長く息を吐いてみてください。思うようにできない日があっても、自分を責める必要はありません。
不眠や強い日中の眠気が続く場合、激しいいびきや無呼吸を指摘された場合、動悸や息苦しさなどで生活に支障がある場合は、呼吸法だけで対処せず医療機関へ相談してください。
呼吸を試しても緊張や疲れが抜けず、身体の不調について相談したい方は、亀有鍼灸治療院やさしあの公式サイトにある電話・LINE・ネット予約をご利用ください。ご相談の際は、どのような場面で緊張や疲れを感じるのかを、分かる範囲でお聞かせください。
発信元:亀有鍼灸治療院やさしあ(東京都葛飾区亀有)
